GALLERY  “ORIGINAL CG” 


<nac82 97/12/31>

驚愕 −スリーピング・ビューティー−

驚愕 −スリーピング・ビューティー−

☆コメント☆

こんにちわ NACです
 たぶんと言うより12/31現在これが今年最後のCGになると思います
 
 年も押し迫った11月12月に怒濤のように描きまくって
 この2ヶ月、ペースが異様だったような気が・・・・・
 「ブルーアイズ」が年を越すことになるとは思っても見なかったし
 なんだかなぁと言う年末です
 
 ではでは本編どうぞです

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 セイン達一行が西の都市−ウエストタウン−のはずれにある小さな街ゴウダについ
たのはもう陽も落ちようとしていた夕刻であった。
 彼らがアジトにしている一軒家のガレージにエアカーを入れると、ミリアとメリル
に傷ついたリーアスを工房に運ぶように言った。
 二人は少し文句を言いながらもセインの言うとおり担架ごとリーアスを彼の工房へ
と運び出した。
 その後を、セインはシオンに支えられ傷ついた足をかばうように、そしてレンが続
いていく。
 工房はこの家の地下にあり、3年前の戦闘で破壊され放棄されたミリアとメリルを
回収修理した場所もここであった。
 工房に入るとレンはその広さに驚いた。
 100m四方の四角い部屋に修理用の台やアンドロイド用のメンテナンスベット、
それらに使う工具やパーツ・・・・・そういった物が整理整頓され置かれていた。
 そして部屋の中央にカプセルが置かれていた。
 アンドロイドの保存用のカプセルだ。
 レンも研究所で何度か似たものを見たことがあったので見覚えがあった。
 それに近づこうとしたときセインがレンを呼んだ。
「レン、さっきの戦闘で服が汚れたろ。だからミリアに服を借りて着替えてきたらど
うだ?」
「え?あたしの服?」
 セインの提案にミリアが反発した。
「いくら姉貴だからって・・・・それにメリルだっているじゃんか」
「何でそこで私が出てくるの!」
「お前なぁ・・・・レンよりも10cm近く低いメリルの服が着れると思うのか?」
「そ、それは確かにそうだけど・・・・」
「そうそう」
「あんたは黙ってな」
 とミリアはメリルの頭はこづいた。
「お兄ちゃん、ミリアがぶったぁ」
 メリルはセインに泣きついた。
「お前ら・・・・たいがいにしとけよな・・・・」
 セインはいつもの事ながら起きれ果てた。
 レンはそんな様子に呆気にとられていた。
「あ、あの私、このままでも大丈夫ですから」
「そうもいかないんだ。レン。リーアスの服もあるし・・・・3人とも上に行って服
を買ってこい。どのみち必要だしな」
「ねぇねぇ兄貴、あたし達も良いの?」
「いいから早く行って来い。その間にリーアスを治しておくから」
 ミリアとメリルは最後まで聞かずに工房を飛び出していった。
「ほら、レンも行って来い」
「でも・・・・・」
「あの二人に任せたらとんでも無いことになりそうだし、お目付役というわけじゃ無
いけど頼むな。あとリーアスの服もお前が選んだ方がいいだろうし、な」
「うん・・・・それではリーアスをお願いします。兄さん」
 あまり気が進まない感じでレンも二人の後を追っていった。
 そして、そのやりとりをずっと見ていたシオンがやっと口を開いた。
「個性的な妹たちでお前も苦労するな」
「個性的ねぇ・・・・レンは良いんだがあの二人にリーアスが加わることを考えると
ちょっと怖いかもしれないな」
「そうなのか?」
「ああ」
「ところでセイン・・・・足、早く治した方がいいんじゃないか?」
「・・・・・・・そういえばそうだな」

 足の方は配線が2、3本が切れていただけだったので、ものの10数分程度で治し
てリーアスの治療に取りかかった。
 現在リーアスは治療がしやすいようにエアカーの中ですでに仮死モードに切り替え、
全機能を休眠状態にしていた。
 彼女の傷はそれほどひどい物ではなく、重要な部分をさけ監視装置だけをえぐり出
したレンの高い能力の一片を見ることとなった。
「レンの能力はすごいな・・・・・各組織の隙間にソードを突き刺したと言う感じだ
な」
 セインの手伝いをしながらシオンが言った。
「そうだな・・・・とは言え下半身につながる動力ケーブルを切断してしまったのは
ちょっと痛いな・・・・・交換パーツがあるから良いけど一度皮膚をはがすから定着
に時間が掛かる・・・・・」
「それはそうと、お前の足の破けた皮膚は良いのか?」
「俺のはほっとけば勝手に再生してくれる。この程度なら2、3日でふさがるだろう」
「・・・・・そうなのか・・・・」

 1時間後、レン達3人が両手いっぱいの荷物を持って帰ってきたが、治療はまだ終
わっておらず、工房にいても仕方ないという事で上で待つことにした。

 さらに2時間後、地下の工房からセインとシオンの二人が出てきた。
「リーアスは?」
 レンはセインに駆け寄ってきた。
「今皮膚を定着させている。動力ケーブルが切断されていたからパーツ交換で一度皮
膚をはがしたからな。ま、でも今夜一晩で定着も終わるだろうから心配するな」
「うん・・・・・」
「少なくともリーアスを助けることが出来たんだから、そんな顔をするなって」
 セインは優しく彼女の肩に手を置き言った。
「それにしても・・・・・」
 彼はレンの服をまじまじと見つめた。
 赤いワンピースでウエストを締めるひもを後ろで結んでいる。
 どうやらさっきの買い物で買ってきたばかりの服のようだ。
「ずいぶんと可愛い服を買ってきたな。でもすごく似合ってるよ」
「え・・・・あ・・・・ありがとう・・・・・」
 レンは顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「ねぇねぇ、あたしは?あたし?」
 横からミリアが飛びついてきた。
「似合ってるよ。ミリアも可愛いって」
「あ〜〜心がこもってな〜い」
 側でシオンはくすくす笑っている。
「シオン、笑ってないで何とか言ってくれ」
「ミリアもメリルもよく似合ってるよ。それって今はやりの服だろ」
「やっぱりシオンは流行に敏感だね」
「ほんとほんと、どこかのお兄ちゃんみたいに『鈍感』じゃないモンね」
 ミリアの意見にメリルがすぐに同意した。
「お、お前等なぁ!」
 こうして賑やかな夜は更けていった。

 翌日の早朝、セインはレイだけを連れて工房に下りた。
「兄さん、こんなに朝早くどうしたんですか?
 リーアスが起きるのにまだ時間があると思うんですが・・・・」
「お前に会わせたい奴がいてね」
「私に?」
 工房の中央には昨日見たカプセルとは別にもう一つカプセルが置かれていた。
 りーあるの眠るカプセルだ。
 セインはその横に置かれているレンが昨日見たカプセルの横に立った。
「彼女だ」
 レンがそのカプセルにおそるおそる近づいた。
 そこで彼女が見たもの、それは・・・・。
「メ・・・メルアール・・・・」
 レンはそこで言葉を失った。
 3年前に行方不明になり、そしてつい先日自分の手で死なせてしまったメルアール
がそこに眠っていたのだ。
「メルアールは1カ月前のあの事件の後、シオンと一緒に見つけここに連れてきた。
 そして、俺が治したんだ」
「に・・い・・・さん」
 レンは言葉に詰まり何を言って良いか分からなくなっていた。
「治したんだが・・・・体は元の状態に治した、だが心は失われたままなんだ」
「心・・・・ってどういうことなんですか!?」
「俺達が発見したときにはすでにシステムが無かったんだ。何者かに奪われていた」
「だって私たちのマインドシステムは・・・・」
「そう、無理矢理取ろうとすればシステムは崩壊するようプログラムした。だがたっ
た一つだけ外す方法がある。それは君たちが死んだとき・・・・・。その時、システ
ムはエネルギーの流入があまで仮死モードに入る。その時外すことが出来るんだ」
「そ・・・そんな・・・・」
「おそらく3年前の時点で奪われたんだろう・・・」
「それでは、メルアールは・・・・」
「システムが見つかるまで彼女を目覚めさせることは出来ないし目覚めない。
 今、彼女の心を見つけるために国中を走り回っているんだ」
「・・・・・メルアール・・・・」
 レンはメルアールの眠るカプセルに泣きついた。

 その後、レンはリーアスに自分が脱走した理由、メルアールを死なせてしまったこ
とをすべて話した。
 リーアスはレンを責めはしなかった。
 むしろ何で話してくれなかったのかと彼女の胸で泣いた。
 そして、二人はメルアールの失われた心を取り戻すことを決心した。

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 眠れる少女メルアール・・・彼女の心はどこに・・・・
 セイン、レン、リーアスの3人は発見することが出来るのか?
 だがこうしている間にもカイザルトの野望は着々と進行していた・・・。
 
 次回「阻止」をお楽しみに

 と言うわけで次回以降ラストに向けて一気に話を進めます(^^;;
 

 しかし・・・今年は色々ありました。
 新聞屋をやめ気づくとシュミを仕事にして、CGもフルカラーに移行して
 なんか怒涛のような1年でした。

 それでは皆さん、来年もどうぞよろしくお願いします。