GALLERY  “ORIGINAL CG” 


<nac84 98/01/09>

記憶 −セインの心−

記憶 −セインの心−

☆コメント☆

こんにちわ〜〜!
 いつも元気なNACで〜す!!

ブルーアイズはラストに向けて一気に話が進んでます
 今回CGは潜入後のレンですがタイトルはストーリーの方から
 取りました
 CGでタイトルを付ければ「潜入 −未来への戦い−」と
 なったんでしょうがあえてストーリーの方でタイトルを付けました
 
    今まで語られられることのなかったセインの心
    最終決戦を明日に迎えシオンに話す・・・・
 
 だからじゃないですがストーリーを書いてみたら
 10kバイト近くいってしまったので別ファイルにしました
 どう考えてもこの間にもう1枚かける要素があったような気がしたのですが
 描きませんでした
 
 ブルーアイズも残すところあと2枚です(やっと終わりが見えた(^^;;)
 次回NAC86「奇跡 −心に絆−」
 一体どんな最後が待っているのかこうご期待(^^)


 ではではそれではまた次回も見てください
 NAC85は久々にあのキャラを描きます(^^)

   
 
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 翌日、リーアスは目覚めた。
 セインは新しい妹たち−ミリアとメリルを紹介した。 
 レン同様リーアスも二人とすぐに打ち解けた様子で、特にメリルとは性格的にも
似てるせいかすごく仲良くなっていた。

 それからさらに二日が過ぎた。
 セインは2階の一室の窓辺に座り外を眺めていた。
 外ではレン、リーアス、ミリア、メリルの4人が近所の子供達と遊んでいた。
「セイン、新しい情報だ」
 部屋にシオンが入ってきた。
「カイザルトか、それともレガリュートか?」
「ああ、両方だ。明後日カイザルトはレガリュートでこのウエストタウンの近くを
巡回するそうだ。名目はレガリュートのテストらしいがな」
「間違いないのか?」
「首都に潜入している仲間達からの情報だ。間違いない。それにもし間違っていた
ら、今お前はここにいないぜ」
「そうかもしれんな」
 セインは苦笑した。
「で、どうする?」
「明日までにどれだけ集められる?」
「そうだな・・・・せいぜい50人弱と言ったところかな」
「その程度か・・・・・」
 セインはシオンから視線を逸らし窓の外を見て考えた。
 そして、独り言のように話し始めた。
「・・・・・レガリュートは外からの攻撃は全く通用しない。とすると中に潜入し
て内から破壊するしかないだろう」
「他に手がなければ・・・・・そうすると、ほとんどが陽動に回るって事だな。外
で派手に立ち振る舞うのを指揮するのは俺がやる。セイン、中の方は頼むぞ。お前
の方が詳しいだろうからな」
 少しあきれた感じでセインはシオンを見た。
「研究所時代にちらっと設計図を見ただけだぞ。そんなに詳しくはない。せいぜい、
どこから入り込めるか程度しか知らない」
「それだけ知っていれば十分だろ。で、あと誰を連れていく?」
 下で近所の子供達と遊んでいる4人の少女達を見た。
「レンとリーアス、あの二人だけで良い。ミリアとメリルはお前に預ける。他の仲
間達と一緒に外で派手にやってほしい」
「4人とも連れていけばいいだろ」
「そうもいかない。外にも戦力は必要だからな。普通の人間にA級を倒すのは至難
の業だぞ」
「たしかに・・・・・」 
「だからじゃないがあの二人のことは任せたぞ」
 
 翌日、町外れの小高い丘に仲間達が集まった。
 50人前後と考えていたシオンの予想を大きく上回る100人以上の人たちが手
に手にいろんな武器を持って集まっていた。
「50人程度って言ってなかったか?」
「俺もこんなに集まるとは思ってもいなかった・・・・・」
 セインよりもシオンの方が驚いていた。
「ま、驚いていてもしょうがないからちょっと挨拶してくるよ」
 セインは一番高いところに立った。
「ついにこの時が来た!今こそ我らの手でカイザルトの独裁から全てを解放する!
 移動要塞レガリュートはまだ未完成だが、これが完成してしまえば我らに勝ち目
はない。明日、レガリュートはカイザルトを乗せこの近くを通ることになっている。
その時こそ最大のチャンスであり最後のチャンスでもある。だからこそこのチャン
スを逃してはならない。みんな、勝って未来を我れらが手に!!」
 セインは右腕を高々掲げた。
 それに呼応するようにその場にいた全員が歓声を送った。
 その後,各ヘッドリーダー格の人々が集められシオンを中心に作戦会議が行われ
た。
 大まかな部分は前日の内にセインと二人で考えておいたので、これは最後のつめ
と言ったところだろう。
 そして全ての作戦の筋が決まりリーダーを通じて全員に伝わり、準備が始まった。

「なんか・・・・ああいう演説をすると自分が道化になった気分だよ」
 夜、準備のために自宅に戻ってきたセインが開口一発ぼやいた。
「そう言うなって。結局誰かがやらなくちゃ行けないことなんだから、それに君は
反乱軍のリーダーなんだからね」
「まぁね・・・・・・」
 セインは大きなため息をついた。
「そういえばあの4人は?」
「地下で武器のチェックをさせてる」
「そうか・・・・・なぁセイン、前々から聞きたかったことがあるんだ」
「なんだ、改まって」
「どうしてマインドシステムを作ったんだ?」
 突然の質問に拍子抜けした。
「何をいきなり・・・・だから前にも言ったとおり・・・・」
「建前じゃなく本当のことを聞いておきたいんだ。本当のことを聞いてどうするわ
けでもないけど、こう言うときだから聞いておきたいと思ってさ。だって初めてあっ
たときのお前って何か機械って言うか冷血って言うか冷たい感じだったからさ。そ
のお前が『未来を与えるため』と言ってもね」
 シオンはいつになく真剣な目をセインに向けていた。
「・・・・・・・分かった」
 セインは立ち上がって地下へのドアの向こうに誰もいないこと確認してきちんと
閉じると再びシオンの前に座った。
「一言に言ってしまえば、科学者としての好奇心からだな。アンドロイドの研究を
していて、『これらの兵器に人と同じ心を与えたらどうなるか』と思ったんだ。そ
れがマインドシステムを作ろうと思ったきっかけだ。それからアンドロイドの研究
と平行してシステムの開発を始めた。
 『心』と言う目に見えないものをプログラムしようとしたんだ途中で止めようと
何度も思ったよ。当時の俺は研究一本槍で周りなんて関係ない・・・さっきお前の
言ったとおり冷血そのものだったからね。でも試行錯誤の末、試作品だったが3個
完成させた。アンドロイドが実戦配備されてから半年ぐらい経ってからだったな。
 3個の試作品でいろんなテストをしていて驚いたことがあった。同じプログラム
をしたにも関わらずそれぞれが違う反応を示したんだ。どんなに調べても答えが見
つからなかった。今思えばそれが『心』にふれた最初だったのかもしれない。
 それから不良としてはじかれた3体のアンドロイドを研究用と言う名目で貰い受
け、ボディーを完全な物に仕上げたのちシステムをそれぞれに組み込んだ。それが
レン、メルアール,リーアスの3人だ。
 彼女たちを人目に触れさせるわけには行かなかったから俺個人の隔離されたラボ
で3人のテストを続けた。
 いろんなテストをした・・・・人には言えないようなこともやった。研究という
名目の元にね。それでも彼女たちは俺を慕い続けてくれた・・・・。
 そんな彼女たちと接してる内に、最初『物』という認識しかなかったのが、いつ
しか愛しい存在になっていった。
 ガキの頃からオヤジの側で研究一本槍、人と接することなんてほとんどなく冷血
とまで言われた俺がだよ。はっきり言って戸惑ったよ。その戸惑いを拭ってくれた
のも彼女たちだった。
 俺が好奇心だけで作ったシステム・・・それを組み込んだ彼女たちが俺に人とし
ての心を与えてくれた。
 何か奇妙な話だけど、俺は彼女たちに出会えて良かったし、愛してると言える。
 ほんと、出会ってなかったら今の俺っていないから」
「なんか・・・・・最後はのろけ話になったな」
「聞きたがったのはお前の方だぞ」
「それはそうだけど・・・・・・でもまあ、興味深い話ではあったよ。
 お前は彼女たちの、そしてこれから生まれる『心』を持つ者達のために戦ってき
たってこと、そして今も闘い続けてるって事だな」
「そんなに格好の良いモンじゃないって、どちらかというとただの恩返しさ」
「どっちでもいいじゃん」
 シオンは立ち上がると一つ伸びをした。
「セイン、お互い生き残ろうな。お前の言う『未来』のために」 
 
 1階から地下に通じる階段のドアの内側でレンは二人の話を聞いていた。
 レンはセインに武器類の最終チェックを頼むために階段を上がってきて、ドアノ
ブに手をかけようとした時、ちょうどセインが話し始めたときだった。
 ドアを開けることが出来ずただその場で立ちつくしてるしかなかった。
 盗み聞きはいけないと思いつつも聞いていたのだ。
「兄さん・・・私は・・・私たちは兄さんが私たちに心を与えてくれたあの時から
ずっと愛しています。そして、これからも・・・・・」
 そっとドアの前でセインに向けてつぶやくとレンはそのまま階段を下りていった。 
 
 朝が来た。
 レガリュートは情報通りウエストタウン東方10kmの位置を移動していた。
「予定通りだな・・・・」 
 丘の上からレガリュートの動きを見ていたセインは全ヘッドリーダーに作戦の開
始を言い渡した。
 ヘッドリーダー達はそれぞれの持ち場へと散っていった。
「シオン、互いに生きてまた会おうな」
「ああ、お前もな」
「ミリア、メリル、二人ともシオンの足を引っ張るんじゃ無いぞ」
「心配ご無用、兄貴の方こそドジるなよ」
「お兄ちゃん、それにお姉ちゃん達も頑張ってね」  
「ええ、あなた達も頑張ってね」
「メリル、昨日の勝負まだ決着ついてないんだから終わったら続きやろうね」
「うん!リアお姉ちゃん分かってる」
 それぞれが再開の祈って言葉を交わした。
 そしてシオン、ミリア、メリルの3人もまた持ち場へと行った。
 3人を見送るとセインは立ち上がった。
「さて、俺達も行こうか」
「あ・・・・・あの兄さん」
「どうしたレン?」
「どうしてあの二人をシオンさんに?」
「あの二人、シオンの事が好きなんだよ。だから一緒にしたんだ」
「お姉さま,気づいてなかったんですか?」
「え・・・・リーアスは気づいていたの?」
「はい!」
 セインは手を軽くたたいた。
「ほら、二人とも行くぞ」 
 近くに止めてあるエアバイクにまたがった。
「兄さん、もう一つ」
 レンが呼び止めた。
「兄さん、私たちのこと愛していますか?」
 レンが顔を赤らめて言った。
 一瞬何を言ったか理解できなかったセインだったがすぐに理解できたらしくこう
言った。
「帰ってきたらいくらでも言ってあげるよ」と・・・・・。

 レガリュートへの攻撃を熾烈を極めた。
 地雷で要塞の足止めをしながら長距離砲で攻撃した。
 一番危惧されたレガリュートの主砲がまだ未完成だったのが不幸中の幸いだった
ろう、これが完成していたら一撃で終わっていたに違いない。
 しかしいくら攻撃しても傷一つつかない。
 せいぜい足止め程度しか出来ないのが本当のところだろう。
 レガリュート側も主砲がないとは言え対人対物兵器は装備している。
 その攻撃に何人もの人々が死んだが、小回りの利くエアバイクでの移動でなんと
か攻撃をさけつつ足止めしていた。
 そうこうしているとらちが明かないと思ったのかレガリュート後部ハッチから兵
士とアンドロイドソルジャーが出てきた。
 全ての兵士達を出した後、ハッチが閉まる直前、いつの間にそこまで来ていたの
かセイン達3人がハッチの内側に潜り込んだ。

「外が派手にやってくれてるおかげで潜り込むのが楽だったな。でもここからが本
番だな」
 そのセインの言葉に二人は無言でうなずいた。
「ここから3方に分かれる。レンはメインコンピューターを、リーアスは動力部を
頼む。俺は艦橋をやる。破壊したらとにかく脱出だけを考えろ。いいな。よし行く
ぞ!」
 3人はかつてセインが見た設計図の複製データーを元にそれぞれの目的の場所へ
と移動を始めた。
 
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