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<nac86 98/02/14>

終結 −心が生んだ奇跡−

終結 −心が生んだ奇跡−

☆コメント☆

みなさん こんにちわの約1ヶ月ぶりのお久しぶりです

 どうにかブルーアイズもエピローグを残すだけになり
 ん〜〜長かったです
 なんだかんだ気づくとここまでくるのに4ヶ月経ってしまい
 ほんとこんなに長くなる物とは思ってもいませんでした。

 前回もそうでしたが今回もそれ以上に駆け足で終わらせました。
 もう少し引っ張りたい部分もあったんですが、あまりに長くなり
 過ぎると言うことと、個人的な理由によりこうなりました

 しかし・・・・戦いのシーンでリーアスの性格がなんか変わって
 しまったような・・・・どっちかというとメルアールの性格ですね
 あれでは(^^;;

 そんなわけでブルーアイズも後1回です
 ハッピーエンドを迎えましょう

 ではではこれで
 
 
 
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 レガリュートに無事潜入を果たしたセイン達は、それぞれの目標に向かった。

 二人と別れたセインは司令室を目指し、レガリュート内部を走っていた。
「しかし・・・どう言うことだ?兵士が誰もいないなんて・・・・」
 ふと足を止めあたりを伺った。
 しかし、動力の音以外何もしない。
「俺達が進入してることぐらいもう気づいているはずだが・・・・誘い込んで自分の手でというところか・・・・・ヤツの考えそうなことだな。なら乗ってやろうじゃないか」
 セインは依然研究所で見た設計図をもとに作り出したマップを確認すると再び走り出した。
 それと同じ頃、レンとリーアスもそれぞれの場所へ急ぎながら、セインと同じ疑問を感じていた。
 
「総帥、侵入者は予定通りにコンピュータールーム、動力室、そしてこの司令室をめざし移動してます」
 レガリュート最上部に位置するこの司令室の後方で、その報告をふふっと笑いながらカイザルトは聞いた。
「各ポイントに新型ソルジャーの配備は済んでいるな」
「はい、大丈夫です」
 通信兵の言葉を最後まで聞かずに自分の後ろに立つ『物』を見上げた。
「さぁ、セインよ。楽しませてもらうぞ。ふふふふふ・・・・・」

 潜入してから約5分後・・・・・。
 レンはコンピュータールーム、リーアスは動力室、そしてセインは司令室のそれぞれの入口付近にいた。

「さぁて、ちゃっちゃって破壊してお姉さま達と合流しないと」
 リーアスは右腕の装備しているソードを構え警戒しながら中に入り込んだ。
 中は巨大な円筒形をした機械が横たわっており、重低音を鳴り響かせている。
 その上、室内はエンジンから発する熱により80度以上になっている。
 体内に冷却機能を持っているとは言えここで長時間活動するのは危険である。
「早いところ作業を完了しないと、私自身がやばいよね」
 リーアスはそう言うと、背負ってきたカバンに入れてきた爆弾をセットし始めた。
 その時、リーアスは背後に人影を察知した。
「!?」
 彼女が振り向くとそこには2m以上の大男が、自分と同じぐらいあるの長さの鉄パイプをリーアス目掛け振り下ろそうとしていた。
 リーアスはそれをとっさに避けた。
「ちょっと、危ないじゃない!」
 そう言いながら立ち上がりソードを構えた。
 男は無言のまま、再び鉄パイプを振り上げリーアス目掛け振り下ろす。が、今度は難なく避けた。
「ちょっとあなた、何か言ったらどうなの!」
 それでも男は何の反応もせず、ただリーアスを攻撃し続けた。
 彼女は何とかそれを避けながら、男が全然汗をかいていないことに気づいた。
 この高温の中で攻撃をし続けているのに・・・・・。
「まさか、アンドロイド!?」
 
「通路に兵士の影が全くないと思ったらこういう裏があったのね」
 ルームの中央にそびえ立つ巨大コンピューター。その周囲でレンもまたリーアスの戦っている相手と同型の男性型アンドロイドと戦っていた。
「接近戦に持ち込みたいけど、たぶん力では向こうが上、捕まったら絶対にやばいし、かと言って距離を置いたままだと飛び道具がないから攻撃が出来ないし・・・・どうしたら・・・・・」
 男が振り回す鞭を避けながら攻撃方法が無いか考えていた。

「やっぱりこう言うことだったか」
 司令室にいた数人の兵士を殺し、後一歩でカイザルトをと言うところで3体目の男性型アンドロイド・・・しかも他の二人が戦っている物よりも一回り大きい感じのアンドロイドだった。
 アンドロイドはカイザルトを守るようにセインと対峙している。
「そして、あんたはそこで見物と言うことか」
 セインはアンドロイドの向こうにいるカイザルトをにらみつけた。
「まぁ、そういうことだ。私とて銃で殺すことの出来ない『物』と戦う気などない。
 だが、君の最後は見届けたいのでね」
「悪趣味だな」
「ふふふ・・・・・DZ−01、目の前の敵を殺せ」
 カイザルトは目の前に立つアンドロイド『DZ−01』に命じた。
 それと同時にセインとDZ−01の戦いが始まった。
 DZ−01は特に武器と呼べる物は持っていないが、その巨体から繰り出すパンチの破壊力は相当な物であった。
『彼』は目標を抹殺する為には周りにある物を何のためらいもなく破壊した。
「目的のためなら手段は選ばないっていうのか。カイザルト!せっかくの虎の子が壊されても良いのか!」
『彼』の攻撃を避けながらセインはカイザルトに怒鳴りつけた。
「君の死ぬところが見れる事を考えれば、この程度は安い出費だ」
「だから悪趣味だって言うんだよ」
 その時、『彼』が破壊した物体の破片を避け損ない足を滑らせた。
『彼』はセインの見せた隙を見逃さなかった。
 次の瞬間にはセインの首を両手で締め上げ高く持ち上げた。
「・・・・・・・こ・・・・・・この・・・・・・・」
 セインは右腕に装備しているレーザーソードを出すと、『彼』の顔目掛け突きつけた。
 しかし、ソードは『彼』の顔の直前で四散した。
「アンチ・・・・レーザーフィールド・・・・・か!」
「その通り、『DZ−01』には光学兵器はいっさい通用しない。そのアンチフィールドの前ではな」
 カイザルトがまるで自慢をするかのように言った。
「さぁ、そのまま首をへし折られ死ぬが良い」
「じょ・・・だんじゃ・・・・・ねぇ!」
 セインは腰に装備しているバリアフィールド発生装置をMAXレベルで作動させた。
 バリアフィールドは装着者を中心にフィールドを広げそれ以外の物を排除する。
 普段は半径1m前後のエリアを攻撃に応じて一瞬だけ張ると言う使い方をするのだが、セインはMAXレベルにし、自分を中心に360度周囲5m前後のエリアを排除しようとした。
 それはシステムそのものにも付加が掛かるため自爆技とも言える。
 バリアの光はセインを中心に司令室全体を飲み込み一気に爆発した。

「光学兵器が効かないからって物理攻撃ぐらいは効くんでしょ!」
 アンチフィールドによりソードが通じないと分かったリーアスは手短にあった鉄パイプで応戦していた。
 だがリーアスの攻撃はその厚い筋肉によって防がれていた。
 そうこうしているとリーアスは男・・・『DZ−03』に捕まった。
 『彼』はその両腕でリーアスの細い体をへし折ろうとした。
「そうやって・・・・・いきなり女の子に抱きつく男は嫌われるんだ!!」
 リーアスは手に持っていた鉄パイプを力一杯男の口の中目掛け突き立てた。
 鉄パイプは口から喉を通り胸にある動力部にまで達した。
 そして『彼』の機能は停止した。

「SMって全然趣味じゃ無いだけどね」
 コンピュータールームで鞭を避けながらレンはつぶやいた。
 だがそんなことはお構いなしに男・・・『DZ−02』はレンを執拗なまでに攻撃を続けた。
「アンチフィールドか・・・・・ソードが通じないのは痛いかな」
 ソードを構え直したレンはどうすれば勝てるか相手の様子をうかがいつつ考えた。
 しかし、そう考えても良い攻撃方法など思いつくはずもなく、鞭を避けるだけで精一杯だった。
「しまった!」
 一瞬判断ミスで避け損ないレンの右足に鞭がからみついた。
 レンは急いで鞭を切断しようとすると同時に鞭に電流が流れ始めた。
「ああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」
 いくらアンドロイドとは言え高圧電流に長時間耐えられる物ではない。
 ソードで切ろうとしたが高圧電流のために体のあちらこちらがショートし始めたため思うように動けなくなっていった。
(ごめなさい・・・・兄さん・・・・リーアス・・・・・)
 レンがいよいよ最後だと思った瞬間、どこからともなく声が響いた。
(まだ、死んではだめ・・・・・)
(え?)
 その声と同時に数発の対人ミサイルが『男』を破壊した
 ルームの壁に仕込まれた防衛システムの一部が働いたのだ。
 レンはやっとの思いで立ち上がるとルーム中央のコンピューターを見つめた。
「今の声・・・・まさか・・・・・」
 その時、上の方で爆発音が響いた。

 一瞬の静寂だった。
 破片の山となった司令室のほぼ中央でセインは傷つきながらも立っていた。
 彼の足下には機械がむき出しになり、動こうとしても動けないでもがいている『彼』が転がっていた。
「すまない・・・・・」
 セインはぼそっとそう言うと、カイザルトの姿を探した。
「まさかあのどさくさに逃げたって言うじゃ・・・・」
 傷ついた体を引きずるように一歩踏み出すと足下でぴちゃっと音がした。
 そこには赤い水たまりがあった。
 その赤い水たまりの出所をたどると、そこにはコンソールデスクと壁に挟まれ死んでいる軍服姿の男がいた。
 その姿を確認したときセインは目を閉じ首を振った。
「・・・・・・・こんな終わり方って・・・・・・・・」
 セインはしばしその場に立ちつくした。

「これで良し。だいぶ手こずったけどこれで任務完了っと!」
 動力部の各部に10分後に爆発するように爆弾を仕掛けたリーアスは傷ついた体を引きずりながらも大急ぎでその場から離れた。

「今の爆発・・・・・まさか兄さん・・・・・」
 レンは一瞬、心をよぎった不安を消し去るように首を左右に振った。
「兄さんは大丈夫。私は私のやるべき事をやるだけだから」
 レンは準備してきた爆弾をルームの各部にセットし始め、最後の一つをセットしようとしたときコンピューターの中央部分に目が止まった。
 そこには約10cm前後の球体が埋め込まれている。
「これは・・・まさか・・・」
 レンはそっとその球体に触れると、彼女の心に声が響いた。
(早く、脱出して・・・・)

「カイザルト・・・・・あばよ」
 セインはそれだけ言い残すとその場を立ち去った。
 そして来た道を逆にたどり、進入したハッチの内側まできた。
 そこにはすでにリーアスが待っていた。
「お兄さま!」
「リーアス、お互い無事・・・と言うわけには行かないが大丈夫みたいだったな」
「うん!・・・・・あ、でもお姉さまがまだ・・・・・」
「後何分で爆発する?」
「10分後にセットしてきたからもう何分もないよ」

(もうすぐ動力部が爆発する)
 その声は紛れもなくメルアールの物だった。
「メルアール・・・なんで・・・なんであなたがここに!?」
(私にも分からない・・・・・だけど姉さんに会えて私は私に戻れた)
 いろんな想いが心を駆けめぐりレンは涙をこぼした。
 そして涙を拭うとレンは真剣な面もちでメルアールに訪ねた。
「どうやったらあなたをここから解放できるの?どうやったらあなたをもとの体に戻すことが出来るの?教えてメルアール」
(それは・・・・無理です。無理矢理外すことはシステムの崩壊につながるから)
「・・・・・・・動力の停止すれば・・・・・・」
(姉さん・・・・・まさか!?)
「もうすぐ動力部が爆発するんでしょ。そうすればエネルギーの供給が止まるからそうすれば・・・・」
(それは危険です。私のことは良いから姉さんは早く逃げて!)
「それは出来ないの。私は一度あなたを・・・・・・だからこそ今度こそ助けたいの」
(だけど・・・姉さん・・・・)

「レン、まだか」
 ハッチの前でレンを待つ二人。
「お兄さま!もう時間が!!」
「分かってる。だけど・・・・・」
 その言葉と同時に動力部に仕掛けた爆弾が爆発した。
 その振動はレガリュート全体を揺らすものだ。
 さらに連鎖反応で次々に各部で爆発が起こった。
「リーアス!お前一人で先に脱出しろ!俺はレンを捜しに行く!」
「ダメです、お兄さま!!今行ったら爆発に巻き込まれます」
「しかし・・・・」
「お姉さまは大丈夫です。きっと・・・・きっと・・・・」
 リーアスはセインに抱きつき、彼が行くのを止めた。
「・・・・・行こう、リーアス」
 二人はエアバイクでレガリュートから脱出した。
 その直後、さっきまで二人がいた場所が爆発に飲まれた。

 レガリュート全体で連鎖的に爆発が起こっている中、動力が停止したことを確認するとレンはメルアールのマインドシステムを丁寧に外した。
「メルアール、一緒に帰ろうね」
 レンは胸の中に抱くメルアールの心にそっとつぶやくと、通路に飛び出し出口へと急いだ。
 そして、後もう少しと言うところで瓦礫によって通路がふさがれていた。
「そんな・・・・・」
 レンはすぐさま今来た通路を戻ろうとした。しかしそこもまた瓦礫によってふさがれ、退路が断たれてしまっていた。
 レンはメルアールの心を強く抱きしめた。
「ごめんねメルアール・・・ごめんねリーアス・・・ごめんなさい・・・セイン・・・もう会えない」
 レンの頬を涙が流れ、そしてメルアールの心に落ちた。

「セイン!!」
 外で待っていたシオンが爆発するレガリュートから脱出死来たセインを呼んだ。
 セインはシオン達の目の前にエアバイクを止めると、リーアスを下ろした。
「シオン、リーアスを頼む!」
「え?あ・・・レンは?」
「レンはまだあの中だ!俺は戻ってレンを助けに行く!」
「無茶だ!!」
 間髪入れずにシオンが叫び、セインを無理矢理エアバイクから引きずり下ろした。
「何するんだ!!」
「止めたんだよ!!完全に爆発炎上してるあの中に行くって言うのは完全な自殺行為だ!それが分かっていて行かせると思うのか!!」
「だけど、まだレンがあの中にいるんだ!何としても助け出す!!」
「お兄さま!ダメだよ」
 リーアスがセインを行かせないように腕を掴んだ
「そうだよ、兄貴・・・・」
「お兄ちゃん!」
 ミリアとメリルも今にも飛んでいきそうなセインを押さえた。
「離せ!お前等!」
「セイン!落ち着け。お前の気持ちは良く分かる。だけどな、もう・・・・」
 爆発の炎に包まれたレガリュートを見た。
「まだレンが死んだと決まった訳じゃない。まだあの中で生きてるんだ。俺が行かなくて誰が行くんだ!」
「セイン・・・・」
 シオンは言葉を詰まらせた。
「お兄さま!」
「兄貴!」
「お兄ちゃん!」
 3人が同時にセインを呼んだ
 その3人の声に我を取り戻した。
「お前等・・・・・・」
 セインは抵抗を止めた。
 そして燃え上がるレガリュートに向けて叫んだ。
「レン・・・・・レン・・・・・レ〜〜ン!!」
 その時に燃えさかるレガリュートから一条の光が天に伸びた。
 それと共に炎が消え去った。
「な・・・・いったい・・・・」
 誰もが言葉を失っている。
 光の柱の中に緑色の髪を持つ少女を姿が浮かんだ。
 セインは思わず一歩ふみだし「メルアール」とつぶやいた。
 さらにメルアールの胸元に暖かい光に包まれた少女の姿があった。
 藍色の髪・・・・レンだ。
 その姿を確認したとき、セインは光の柱を目指し走り出した。
 シオン達もまたそれに続いた。

 光の柱の近くまで来るとレンを包んだ光の球体が静かにセインのもとに降りてきた。
 そして、静かに抱きかかえた。
「レン」
 彼の優しい呼びかけにレンをうっすらと目を開けた。
「セイン・・・・・私・・・・・」
「レン!」
 彼女の無事を確認するとセインは喜びのあまりレンを強く抱きしめた。
 何度も彼女の名前を呼びながら・・・・・・。
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