NOVEL



ファンタシースターオンライン
『未来へのプロローグ』

プロローグ


シティーから遠く離れた海の見える高原にある大きな屋敷。
そこは政府高官まで務めたフェイル・スライダーの屋敷。
現在彼は政界から引退し余生をこの屋敷で数人の使用人と共に暮らしていた。

水平線に朝日が昇り始める。
だがいつもなら使用人達が慌ただしく活動を始める時間にも関わらず屋敷は静寂を保っていた。

カーテン越しに朝日が屋敷の中に注ぎ込む。
光は吹き抜けになっている1階ロビーを照らし出す。
そこには血を流し絶命する使用人達の姿があった。
絨毯は彼らの血で赤黒く染まっている。
彼らは全員セイバーのような武器で身体を切り裂かれていた。
ハンドガンを持つ者もいるが、トリガーに指が掛かっていないところを見ると、それを撃つよりも先に殺されたのだろう。































「……マスター……」































生存者など誰もいないはずの屋敷にかすかな声が聞こえる。































「……マスター……」































それは今にも消え入りそうな少女の声……。































「……マスター……」































その声は屋敷の一番奥、この屋敷の主人フェイルの寝室からだった。
室内には車椅子にジッと座る初老の男と床に転がる少女の姿があった。
少女は右目をつぶされ、手足を切断された状態で床に放置されていた。
その切断面から機械が見える。
少女はメイド型アンドロイドだ。
そのためこの程度で即死することはない。
だが破壊された手足やその身体に受けた無数の傷が彼女の活動時間を確実に奪い去っていく。
彼女は残った左目で目の前の主人を見つめ、その名を呼び続ける。
だが主人であるフェイルはその声に決して答えることはなかった。
彼もまた車椅子の上で心臓を貫かれ死んでいた。
つぶされた右目から零れるオイルは彼女の涙のように見える。
「……マス……ター……」
彼女は答えることのない主人を呼び続けた。
生きている者は誰もいない屋敷の中で……。
機能が停止するその時まで……。













翌日、この屋敷の住人すべてが何者かによって殺害されたと言うニュースが流れた。
そして数年経った今も、その犯人は捕まっていない。









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<あとがき>
絵夢「さてファンタシースターオンラインの二次小説で〜す」
恵理「いきなり重いはじまりだね(^^;」
絵夢「元々こういうダークなのが好きなもので」
恵理「なるほど……」
絵夢「初めての二次小説なので何処までこの世界で書けるか分かりません」
恵理「マスターってば(^^;」
絵夢「でも何とか頑張って書いていきたいと思いますのでどうぞ、広い心でお付き合い下さい」
恵理「私からどうぞよろしくお願いします」
絵夢「それでは次回第1話どうぞお楽しみに〜」



恵理「ところで私は?」
絵夢「出番あると思う?」
恵理「ないなぁ……ここ夢は?」
絵夢「これ書きながらストーリー構成する」
恵理「それまで休みなのね」
絵夢「うい」
恵理「はぁ……(溜め息)」