NOVEL



ここは夢園荘 サイドストーリー

ベッドの中で


幸司君はクリスマスの次の日の最終の新幹線で帰っていった。
冬休み中一緒にいられると思ったのに……残念。
だけどその間、私は夢園荘に戻ることなくずっと幸司君と一緒にいたの。
会えなかった7年間を埋めるように……。
でもべったりする前にちゃんと手紙が届かなかった理由を聞いたの。
そうしないと気持ちの整理が出来ないから。
すると、何故か向こうも同じことを聞いてきた。
互いに話をすると、同じ時期に幸司君も引っ越したらしい。
そして私と同じように落ち着いた頃手紙を出した時には、届かなくなっていた。
結局の所、お互いに郵便局に転居届を出してなかったのが原因だったのかも。
だけど手紙が届かなくなってもこうして約束を守り、再会できたことはすごく嬉しいことだった。


「蓋を開けるとなるほどねと言う理由だったんだね」
照明を落とした部屋。
ベッドの中で私は美亜にどうして手紙が届かなかったのか説明すると、美亜は納得したようにそう言った。
「それで幸司君、帰っちゃったの?」
「いろいろとやることがあるみたいで……」
「そうなんだ……。それで……こう……なる……の……あ……あん……あふ……そんなに……うごかないで……」
「だって、幸司君に一杯愛してもらったから、今度は美亜ちゃんを愛する番なの」
「そういう問題じゃ……あん……ああああ……はげし……すぎる………」
美亜は私の下でもぞもそと身体を動きながら逃げようとするけど、しっかりと上から押さえ込んで逃げられないようしている。
それ以前に一つになってるから逃げられないけどね。
え、どういうことかって? 内緒だよ、ふふ☆
ヒントは私達裸で寝てるの。
「幸司……君が……いるんだから……もう……」
「あん……美亜ももっと動いて」
「だから……ん……あふう……私の話を……」
「私は幸司君と同じぐらいに……ん……美亜が好きなの……あん……だからね☆」
「だからねじゃ……あああん……もっとゆっくりしてよ……壊れ……ちゃうよぉ」
「だ〜め」
「ああああぁぁぁぁ」


私達が眠ったのはそれから大分経ってからだった。
なんか外がうっすらと明るかった気がしたけど……気のせいだよね。


時計が正午を指した頃、私は目を覚ました。
私の横で美亜はまだぐっすりと眠っている。
その寝顔はなんか少し疲れてる感じがする。
「ちょっと頑張り過ぎちゃったかな……ごめんね」
美亜の顔に掛かる髪をかき分けながら小声で言う。
「謝るならもう少し手加減してよ」
「起きてたんだ」
「今ね……寝るのが遅かったせいかまだ眠い」
美亜は遠回しな文句を言うと私をじっと見る。
「?」
「何でもない」
美亜は軽く溜め息をつく。
「ところで美亜」
「何?」
「お正月に一緒に幸司君の所に遊びに行こうよ」
「は? 何で私まで……」
「美亜を一人でここに残していきたくないもん」
「ないもんって……別に誰も帰省する人もいなから一人ってわけじゃ……」
「駄目、一緒に行くの。二人分の切符だって買っちゃったんだから」
「いや、それに折角彼氏と会うわけだし、私なんてお邪魔になっちゃうし……」
美亜はなんだかんだ理由を付けて行きたく無さそうな顔をしてる。
一緒に行きたいのに……なんか悲しくなっちゃうな……。
私がそう思っていると、突然美亜は体を起こす。
「?」
「……一緒に行こうか」
「うん! もう最初からそのつもりだったんだね」
「いや……そう言うつもりじゃ無いんだけどね」
「まったまたぁ」
なんだかよく分からないけど、美亜の気持ちが変わって良かった。
こうなったら一杯愛してあげないとだめだよね。
その時、枕元に置いていあるいろんな『道具』が目に入った。
私はその一つを手に取ると美亜に近づく。
「り、里亜ちゃん?」
美亜の笑いが引きつっているような気がするけど気のせいだよね。
「お礼だよ」
「いや、そう言うのは……」
後ろに下がって壁に背をつけてる。
「美亜ちゃん、大好き!」
私は肌をこすりつけるように密着するように抱き付くと唇を塞いだ。
いっぱいいっぱい愛してあげるからね。美亜ちゃん☆



Fin


<あとがき>
絵夢「ノーコメント」
恵理「私もちょっと……(^^;」

絵夢「そう言うわけでまた次回まで」
恵理「……もうお終いなの?」
絵夢「お楽しみに〜」
恵理「お〜い」
絵夢「まったね〜」
恵理「……またね〜」